インタビュー企画   

【インタビュー】「Confetti」(カンフェティ)編集長吉田祥二さんと語る「ロングランプランニング」と演劇事情について

演劇人なら知らない人はいないフリーペーパー「Confetti」。その編集長を務める吉田祥二さんと「Confetti」を発行する「ロングランプランニング株式会社」の変遷と、その周りの演劇事情について伺います。(2019年3月取材)


左:遠藤隆之介さん、右:吉田祥二さん


<目次>


【第1回】榑松さんとの出会いと会社が立ち上がるまでのお話。

【第2回】Confetti(カンフェティ)登場。

【第3回】演劇の移り変わりと紙媒体について。

【第4回】演劇人の応援と育成。


<第2回>Confetti(カンフェティ)登場。

【前回のあらすじ】

現在ロングランプランニングの代表取締役をされている榑松さんと大学で出会った吉田さん。演劇人を応援したいという思いから、会社を立ち上げることになったのですが・・・。


吉田 実は「Confetti」自体は2004年の12月に発行なんですけど、(会社の立ち上げから)10ヶ月くらいブランクがあるんです。その間何をやってたかっていうと、簡単に言うと、エンタメ側の人材派遣みたいなことをやっていて。作家・演出家の方とか俳優さんとかが登録してもらって、例えば結婚式で余興をするとか、そういう演劇的なスキルが必要そうな商品をいろいろ作ってました。劇団って公演があるじゃないですか。で、オフの期間はそういう仕事をして、オフの期間を充実させるっていうのに主眼を置いて、公演は好き勝手みんな自由にやって、オフの期間で稼げれば、公演でトントンくらいになれば、みたいな。

遠藤 オフの期間はなるべく芸能寄りな仕事をするって感じですよね。


吉田 そうですね。ただ、特に日本における演劇の需要の対価っていうのがやっぱり低くて、プロとアマとでは違うと思いますけど、いくらうちの商品がプロで素晴らしかったって、「お客さんが喜べばオッケー」っていうのがあるので、なかなかそんな何十万とか百万とかっていう値段がつけられなかったりする。それで単価が低くなると、関わってくれる演劇人への給料も安くなるわけで。

遠藤 なるほど。


吉田 演劇的なことを大事にすると、生(ライブ感)を大事にするから、すごく手間がかかるじゃないですか。それだけ効率化も測れなくて、件数が増えれば増えるだけ、効率が悪くなっていくっていう。そうなると、件数は増えてったんですけど、利益がなかなか出なくて、このまま続けてたらうちの会社がなくなっちゃうっていうのがあって、いったん発想を180度変えて、オフの期間はいったんノータッチにして公演自体にフォーカスを当てる感じになったんです。


遠藤 10ヶ月で舵取りを変えたわけですよね。

吉田 そうですね。かなり借金を背負ってしまったので。

遠藤 切り返しが素晴らしいと思います。


吉田 で、もう一回何かやろうってなってできたのが「Confetti」だったんですけど、演劇のフリーペーパーを作ろうと。劇場に行けばチラシがいくつか置いてあって、インターネットはその時にはあったけど、ネットはただ好きな情報しか見ないし、劇場以外で一般の人が目に触れる形のものってフリーペーパーがいいなってなりまして。

遠藤 こないだも設置場所を見せていただきました。


吉田 で、そこから印刷とか折り込みとか立て続けにいろいろやり始めるんですけど、一つ共通しているのが、劇団ってお金がないじゃないですか。だからすごくいいサービスがあったとしても、お金がかかるってなった時点でやっぱりできないってなりがちなんです。やっぱり現状がカツカツで、切り詰めてやってるから、新たなお金を出すっていうのが難しいじゃないですか。ただ、劇場費とか印刷費って規模感によって額は変わるけど割合って大体一緒で、だから今かかってるお金よりも、安くなってかつ同じようなものが手に入れば、使わない理由がないなって思ったんですね。

遠藤 確かに。


吉田 そこに後から気づいて、印刷とかやりながら、劇団に対してのビジネスとして、これはありだなっていうのはありましたね。当時チラシの印刷とかって、結局知り合いの印刷会社とか町の印刷屋とかでやってたんで、すごい高かったんですよね。だから印刷費やデザイン費はなるべく安くして、新しい画期的なサービスではないんだけど、コスト面で劇団を少しでも楽にできればっていう思いでやってましたね。



浅海 結構演劇のサービスが多いってことは、社員さんも演劇やられてる方が多いんですか?

吉田 多くはないですね。最近ちょっと増えてきたけど、見るのが好きって人の方が多いですかね。やってた人を積極的に採用するってこともあんまりしていないです。


遠藤 そういえば「Confetti」の名前の由来って何なんですか?

吉田 「Confetti」っていう言葉自体は「紙吹雪」って意味です。冊子にもちっちゃいんですけど書いてあって。「Confetti」って直接的な意味はわからない単語じゃないですか。で、「ステージなんとか」とかわかりやすいものって使い古されてて目新しさはないよねってなって、「Confetti」に至りました。


確かに書いてありました。


遠藤 ロングランプランニングはなんでロングランプランニングなんですか?

吉田 社名もいろいろ経て決めたんですけど、ロングラン公演を打つような団体を増やしていこう、みたいな感じですね。


浅海 業種としては何になるんですかね。

吉田 うーん、まぁ広告宣伝業なんですかね。

遠藤 芸術団体のサポート業務ですもんね。印刷もやってて、チケットもやってて、幅広いですよね。



遠藤 それと、個人的に福祉ばたけの人間なんで、ワクチンとか障害者の雇用とかにもすごいやってるじゃないですか。こちらはどういう思いがあるんですか?

吉田 そうですね。自分が演劇をやってたから思うんですけど、演劇ってすごい"反エコ"じゃないですか。大きな舞台だと一軒分たて込むけど、バラして廃材になったりして。だから演劇活動をするということ自体が、なんか世の中に対して後ろめたさみたいなものが、気づいてなかったとしてもあって、そこを少しでもうちの会社がハブとなって何かできたらなって思っています。(社長の)榑松は社会貢献に関心があって、結構最初の時点から、ワクチンとかそういうものに力を入れていくみたいなところは持っていましたね。それと託児とかもやってるんですけど、これは「エンターテイメントをもっと身近なものに」っていう理念があって、エンターテイメントをもっと見たいんだけど、何らかの理由でエンターテイメントから身近じゃない人を身近にできないかってことに基づいて、いろいろ展開しているような感じですかね。


遠藤 すごい素敵ですよね。

吉田 榑松はお金ができたからこういうことをやるって発想が嫌いで、最初の会社のあり方として積極的にやっている感じです。


遠藤 ちなみに吉田さんに役者でオファーしたら出演OKしてくれるんですか?(笑)

吉田 うーん・・・出たいです。気持ちだけは。でも追いつかないんで(笑)。


遠藤 日替わりゲストくらいならみたいな感じですか。

吉田 アフタートークとかだったらね、いいですけど。役をもらってっていうのはどうですかね。


遠藤 今は(脚本を)書いたりもしてないんですか。

吉田 今はあんまり。でもまあやりたいと思いますけどね。劇団カンフェティみたいな感じで(笑)。


遠藤 いいですね。演出家いなかったら僕もお願いしたいです。

吉田 ぜひぜひお手伝いいただければ。


「Confetti」WEBサイトはこちら。



(つづきます)


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