インタビュー企画   

【ワークショップ対談】日本即興コメディ協会 横内浩樹さん&日本コメディ協会 遠藤隆之介さん

 「笑い」を目的とした「即興コメディ」(インプロ/インプロヴィゼーション)をベースに、日本の芸人さんをより「面白くする」ことを目的に発足した日本即興コメディ協会。その役員であり、インプロファシリテーターを務める横内浩樹さんをお招きし、2018年7月にワークショップを開催いたしました。今回はワークショップの講師を担当いただいた横内浩樹さんと、日本コメディ協会の会長の遠藤隆之介さんとの対談の様子をお送りします。(インタビューは敬称略)


左:日本即興コメディ協会 横内浩樹さん、右:日本コメディ協会 遠藤隆之介さん


<目次>


【第1回】芸人さんとインプロ

【第2回】エチュードとインプロ

【第3回】企業とインプロ

【第4回】ユーモアスキル養成講座


<第2回>エチュードとインプロ

遠藤 協会員で聞きたいことがあれば・・・?


横内 あ、逆に私からいろいろ聞きたいんですけどいいですか?

遠藤 どうぞ。


横内 僕は2002年にインプロを始めたんですけど、その時のインプロの認知度って、役者さんも全然知らなかったくらいだったんです。エチュードは知られてたんですけど。当時は「インプロとエチュードの違いって何?」と思われてた部分ってあると思うんですけど、今はインプロをあんまり知らない人ってそんなにいないかなって思うんですけど、いかがでしょうか?


メンバーA (他のメンバーは)みんな知ってる感じですけど、僕は全然知らなかったですね。

横内 あまり見に行かれたりとかもないですか?


メンバーA いや、インプロという形式というか、演劇を主に活動している劇団が、今回の公演は「即興だけでやります」とか、それはたぶんインプロだと思うんですけど、紙を使ってお客さんからテーマをもらったりとかしてて、「あ、即興なんだエチュードなんだ」とは思うんですけど、「インプロなんだ」とはあんまり思わないですね。

遠藤 インプロって単語はすごい浸透してると思うんですけど、インプロとエチュードを同義語と捉えてる役者さんはまだ多いと思います。


横内 あくまで僕自身の考え方ですけど(強調)、エチュードっていうのはある程度設定を与えられて、最初から最後まで話を作るわけではないかなーと。あくまでエクササイズの一環で、役を即興的に演じていくことで、どういう風に表現をしていくのかなとか、どういう表現力がいいかっていうのを学んでいくものだと思うんですけど、インプロの場合は最初から最後までストーリーを作っていって、最後のエンディングまで自分たちで作りあげるっていうところが違うのかなと思いますね。だから訓練とかエクササイズではないのかなっていう感じはしますけれど・・・これで伝わってます?



遠藤 物語として完成を目指すってところなんですかね。エチュードは個人の訓練でもエチュードと言えちゃうみたいな。

横内 そうですね。それはあると思いますね。例えば稽古の中で演出家さんがいらっしゃってエチュードをやると、やっぱり途中で止められることってあるかなって思うんですけど、みなさんそんなことってなかったですか?


遠藤 僕は台本の役の背景を知るために、過去の背景のエチュードをやらせて、だからそれは過去の裏付けを取るためだけにやってるから、別にオチとかつけないで、途中で「ハイ、ここまでできたね」みたいな感じで止めちゃうみたいにやってますね。

横内 エチュードだとそういった形の方が多いんじゃないかなって思うんですよね。


メンバーA 確かにそんなにオチにはこだわってない気がしますね。どちらかというと過程が大事で作品のためにやるから、あくまでサブ的にって感じで。

メンバーB 手法としてエチュードってものをやるだけで、練習のためにやってるみたいな感じですかね。エチュードをやってそれがそのまま公演になっちゃうとそれがインプロなのかなっていう気もします。


ワークショップの1コマ。


メンバーC 自分がインプロを学んでたときに、いろんなところでエチュードはやってましたけど、エチュードってホント「フリーでやってください」って感じだけど、インプロってさっき(横内さんが)おっしゃってましたけど、物語として最後までつくるために、そこにルールがあるじゃないですか。エチュードをやってる時ってそのルールがなくて、やっぱり停滞しちゃうから、最後までいかないケースってのがある気がして、だからそういう意味でいうと、役の掘り下げのために、っていうその過程だけをコミットするのであれば、それはエチュードでいいと思うんですけど、物語をつくるとか完成させるとかっていう目的があった時に、そのためにインプロのルールってのができてるのかなって思います。


横内 「Yes、and」(※3)とか、いろいろやってはいけないよっていうのがたくさんあったりしますけど、確かにそれは言えてますね。

遠藤 今のお話聞いて、今後混同している若い俳優さんとかがいたら、ちょっと(違いを)伝えられそうな気がします。

横内 確かにやり方も含めて、ルールも含めて、いろいろなことがありますよね。


※3 「Yes, and」とはインプロの基本精神の一つ。相手のアイデアを否定せず、いったん受け入れてアイデアで返す手法のこと。



(つづきます)


日本即興コメディ協会HPはこちら


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