インタビュー企画   

【ワークショップ対談】日本即興コメディ協会 横内浩樹さん&日本コメディ協会 遠藤隆之介さん

 「笑い」を目的とした「即興コメディ」(インプロ/インプロヴィゼーション)をベースに、日本の芸人さんをより「面白くする」ことを目的に発足した日本即興コメディ協会。その役員であり、インプロファシリテーターを務める横内浩樹さんをお招きし、2018年7月にワークショップを開催いたしました。今回はワークショップの講師を担当いただいた横内浩樹さんと、日本コメディ協会の会長の遠藤隆之介さんとの対談の様子をお送りします。(インタビューは敬称略)


左:日本即興コメディ協会 横内浩樹さん、右:日本コメディ協会 遠藤隆之介さん


<目次>


【第1回】芸人さんとインプロ

【第2回】エチュードとインプロ

【第3回】企業とインプロ

【第4回】ユーモアスキル養成講座


<第3回>企業とインプロ

遠藤 プロのインプロ系の人に「エチュード」っていうと「エチュードじゃない!」みたいに怒られたりしますか?(笑)

横内 (笑)。そんなに怒りはしないと思います。インプロやってる方って、すごい柔らかい人の方が多いと思うんですよ。たぶん、たぶんですよ(笑)。


メンバーA でも何か間違えてもそれを受け入れる下地はある気がしますね。

遠藤 確かに否定的な人はあまり行かないかもしれないですね。

横内 そうですね。そうだと思います。そうでありたいですね。



遠藤 少し話が変わって、うちも協会なんで、これからどういう方向性にするかって日々話し合ったりしてるんですけど、日本即興コメディ協会さんが今後どういう風に活動を広げていきたいといったような、方針とか方向性はどんな感じのものを持ってらっしゃるんですか?


横内 インプロをやるファシリテーターさんって少なくって、また、インプロをやる場ってのも少ないと思うんですけど、「ファシリテーターさんを増やしていきたい」っていう僕たちの思いはありますね。なので、ずっと言ってるんですけど、ファシリテーターの養成講座のようなものを開きたくて、でも「インプロのファシリテーターを育てるってどうなの?」って思われることもあるんですけど、でもやっぱりいないとどうしようもないし、そういうところがないと学ぼうとも思わないし、もしかしたら「受領証」みたいな、何か証明するようなものが必要かもしれなかったりして。よく聞かれるんですよ、「インプロを教えるのに何か免許っているんですか」とか。「ないんです」っていうしか今のところはなくって、どこも発行しているわけではないので、そんなところを協会でできればなと僕はずっと思ってるんですけど。


遠藤 その人を認定するみたいな。

横内 そうですね。

遠藤 じゃあ外向けに一般のサラリーマンの方とか、そういう普及する活動もしつつ、内向けっていうか専門家を養成するっていう側面を持ってるみたいな感じですよね。


横内 そうですね。そういったことを考えていきたいと思ってますね。それと、最近「ユーモアスキル養成講座」っていうのをやっていて、ようやくサンミュージックさんとコラボして、「コメディナイトスクール」っていうのを開催することができました。それでそこからちょっと発展して、地方とかでもやれる可能性が出てきているので、そういったところもやっていけたらと思います。「日本即興コメディ協会」が「ユーモアスキル養成講座」をやるのって「どうなの?」って思われる方もいるかもしれないんですけど、ユーモアスキルの中にもインプロの要素っていうのはたくさんありまして。

遠藤 でも分離しているイメージってないですけどね。

横内 あ、そうですか。それだったらすごい嬉しいかなって思いますね。


遠藤 企業向けの研修とかやられたりするんですか?

横内 私たちはやってますね。

遠藤 企業の業種は営業系とかが多いんですか?職種とかに何か傾向みたいなものはあるんでしょうか?


横内 そうですね。ホントはインプロのスキルっていうのが発揮できるのは、営業とか接客とかが一番わかりやすいんですけど、なかなかそこっていうのは踏み込めてなくて。今いただいている案件でいうと・・・保険ですね。保険屋さんの中で一つ悩みがあって、管理職の方がおっしゃるのは「Yes,but」っていうのはよくやるみたいなんです。一度受け入れて「あーそうですね、それは大変ですよね。でもですね、私たちの商品っていうのはこういうものなんで、こういうことが提供できるんですよ。」っていう感じなんですけど。


ワークショップの1コマ。


横内 ただ、管理職の人たちは実はそういうことってして欲しくないみたいなんですね。っていうのは、一回質問なんかがあったりしたら持ち帰って、で、どういうことができるかっていうのを再度提案していく、っていうことをやって欲しいらしいんです。協調的な交渉力っていうか、協調的なコミュニケーションっていうのをやって欲しいんですけど、なかなかそれができないみたいなんですね。

遠藤 「but」から否定の空気を感じ取ってしまうみたいな。

横内 そうなんです。それに「Yes,but」っていうのもみんなもう知ってたりとかして、「あ、この人"Yes,but"してるわ」みたいに思われちゃったりとかして。

遠藤 なるほど。


横内 自分の言いたいことしか言ってないなとか、って思われたりしてしまう中で、インプロのスキルとして協調的なコミュニケーションを行って、お互いが最終的に「win-win」となれるようにしたい。例えば何か問題があったら、問題を提起してそこを深掘りして、その本当の動機ってなんなのかとか、そういったものを掘り出してから、そこから先ほどみなさんがやったブレスト(ブレーンストーミング:ワークショップのメニューの中で実施)をしていくんですね。どんな解決方法があるのかっていうのをやって、じゃあこの解決方法だったら、お互いがこうメリットがあるよね、じゃあそこで合意しましょうねっていう営業のスタイルだったり、接客のスタイルだったりっていうのをやって欲しいんですよね。でもそれって、学ばないとできないんだけど、実際やってくれるところはどこもないっていう。


遠藤 なるほど。

横内 特にそれを即興でやらなきゃいけないんですよね。だからそういうことができればいいなと思っているんですけど、なかなかそこまで踏み込めてないっていう状況ですね。


遠藤 なんかエンターテイメント的なものが社会の仕組みに還元していくっていうのはものすごく素敵だなって思います。

横内 ありがとうございます・・・あの、私だけが喋って大丈夫なんですか?(笑)

遠藤 いえいえ、ゲストなんで、喋りたいことを喋っていただいて。




(つづきます)


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