インタビュー企画   

【インタビュー】景浦大輔さん&パセリス 浅海タクヤさん

 日本コメディ協会に所属する景浦大輔さん。声優や役者として活躍する一方で、数々の公演で落語を披露しています。その真意を同じ日本コメディ協会の浅海タクヤさんをインタビュアーに迎えて、探ります。(2018年5月取材)


左:景浦大輔さん、右:パセリス 浅海タクヤさん


<目次>


【第1回】落語家にはならない?

【第2回】落語と役者のスキルの関係性

【第3回】落語とコメディ、そして今後のこと


<第3回>落語とコメディ、そして今後のこと

浅海 落語とコメディはいわゆるシチュエーションコメディっていう括りで、よく比較されやすい気がするんですが、そのあたりどうですか?

景浦 そうですねぇ・・・シチュエーションコメディとかと比べると、落語ってドアの開け閉めみたいなのができないじゃないですか。アメリカだとドアだけど、日本だと襖みたいな。それにドアだと「バーン!」って登場できるけど、襖だと結構音が聞こえるから「あ、ヤバイきたきた!」みたいなことができたりする。そういう国民性とか文化の違いは面白い気がします。


浅海 ただ、落語とかだと結構ワンシチュエーションってことが少ないし、心情を語ったりもするから、それをそのまま舞台化するってのは難しいイメージです。

景浦 でも歌舞伎とか狂言から落語になったものもあったりするんですよ。狂言とかだったらクルっと回って違う場所、みたいなこともできますし。

浅海 なるほど。


景浦 でもいま落語っていま短くなってるみたいなんですね。寄席とかでも1時間とかの話を15分くらいにまとめたりして。で、短いものってやり取りが面白いものが多いから会話が面白い。だから少し漫才に近い感じかもしれなくて、そう考えるとそれってストーリーが大きく動いているものじゃないから、舞台にしても意味ないのかなって、でも面白い人間を描いている部分はあるから、それは「喜劇」に近いのかもしれないし、でも「劇」じゃないから・・・という感じですかね。



浅海 今後コメディ協会は落語とどう付き合っていければいいですかね。

景浦 そうですね。役者のトレーニングになるかは別として、教養として勉強する場はあってもいいと思いますし、実際に去年(立川)談修師匠にワークショップをやっていただいたじゃないですか。その時ってやっぱり参加者とかもすごくいて、だから潜在的に落語に興味を持ってる人っているんじゃないかと思うんですよ。だから、そういう人たちに向けて、師匠とコラボレーションみたいなものができたらなと。

浅海 似たような話を落語版と舞台版でやるのも面白そうですね。


景浦 そういうイベントを経て、お芝居に興味もって来てくれた人が落語に興味もって、落語のお客さんになって、落語に興味もってきた人が、お芝居って面白いじゃんって言って、お芝居のお客さんになってくれる。ま、別に食い合いでもいいと思うんですけど。それに大枠で言えばコメディも一つのジャンルということで言えば、ワークショップをやった時にも思ったんですけど、コメディが好きな人はやっぱり落語にも興味をもつものなんだなと。



浅海 景浦さん個人としてはどうですか?

景浦 自分はコメディの学術的な構造みたいなところが知りたかったりしますね。あとは脚本の書き方ですね。脚本家の人って教えるとき、みんな漠然と教えるじゃないですか?(笑)


浅海 脚本書いてみたいんですか?

景浦 書きたいのかな。うーん・・・というより、シチュエーションコメディには「方程式のようなものがある」というのを聞いていて、それって大まかにどんなものなのかなぁっていうのを知りたいっていう気持ちがありますね。

浅海 なるほど。


景浦 全部が全部じゃないと思いますけど、ある程度シチュエーションコメディっていうのはそういうものに則っている気がしていて。

浅海 脚本を書いたことのある人間として回答すると、逆にそれがネックになったりするんですよね。どの作品も絶対浮気したり、誰かが死ぬことでそれを隠したりっていうのが自分で先が読めてしまって。新鮮味を感じなくなってきているというか。


景浦 それは演出家だからなんですかね。

浅海 それもあるかもしれないですね。それと、今もうワンシチュエーションに何人も人が集まるっていうこと自体があんまりないんですよね、日常で。いや、あるかな?わかんないですけど。仕事も同じ会社の中でやらないし、顔合わせたり喋ったりするのも、パソコン越しだったりskypeごしだったりする。その中で、その方程式が通用するのかってことは考えますね。


景浦 なるほど。今は三谷(幸喜)さんとかのおかげで、シチュエーションコメディというものがだいぶ広まったじゃないですか。だからその分、先読みができちゃったりとかっていうのはあって、じゃあその次の段階として、定着してきたものを壊すか何か新しいものをつくるのかは必要な気がするんですよね。

浅海 確かに作り手としてはそういう「新しみ」は考えるところですよね。

景浦 そうですね。


浅海 このあたりでおしまいにしたいと思います。ありがとうございました。

景浦 ありがとうございました。



(おわり)


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