インタビュー企画   

【インタビュー】(株)Alave 小濱さんが語る「演劇ごはん」

オーガニックレストランや自然栽培の野菜を扱っているお店など「食」と演劇をコラボレーションする「演劇ごはん」。コメディ協会会長の遠藤隆之介や協会員の佐藤史久なども参加させていただいているこのイベントを主催する(株)Alaveの代表取締役を務める小濱晋さんにお話を伺いました。※「演劇ごはん」は(株)Alaveの登録商標です。


左:遠藤隆之介さん、右:小濱晋さん


<目次>


【第1回】初めての「演劇ごはん」

【第2回】シームレスについて

【第3回】会社を立ち上げる

【第4回】現在と今後の「演劇ごはん」


<第2回>シームレスについて

遠藤 最近は「シームレス」の重要性みたいな話をされるじゃないですか。

小濱 日常と非日常の「シームレス」のことですか?

遠藤 そうですそうです。「演劇ごはん」の序盤の部分みたいな。


小濱 そうですね。日常と非日常にも移行部分の段階があって、そのスイッチをなるべくパチってしないっていうことは意識してますかね。で、その切り替えのポイントが多ければ多いほど非日常が「シームレス」になっていくと思うんですよ。日常と非日常が、何回も交錯していってるうちに、非日常が日常化していくみたいな。


遠藤 こないだの公演(2018年10月の公演)とかも「お客さんの中からサプライズで婚約指輪を渡します」ってなった時に、本当に信じて感動される方とか、「がんばれがんばれ」って言ってくれる人がいて、実際に声をあげる空間っていうのが、やっぱり劇場とは違う感じがしました。

小濱 日本の劇場とは違いますね。ただ、欧米はもっと声出してたりしますけど。


2018年10月の演劇ごはんより1シーン


遠藤 欧米の方がイメージに近い感じなんでしょうか?

小濱 うーん、どうなんでしょう。ミュージカルの俳優が食事を持ってきてくれるショーとかはありますよね。でも「食」を伝える演劇はあんまり聞いたことないですね。


遠藤 「食」を伝えるってところにフォーカスが当たってる感じなんですね。

小濱 そうですね。他との差別化をするにあたって、エンターテイメントの中には「シームレス」とか「参加型」の演劇っていっぱいあって、その時にたぶん「食べる」って行為だったり、「お店で食べる」ってことがうちにとってのオリジナリティなのかなと思っていて。なので、その「食べる」っていうことをどう形作っていうか、ということに注力している部分はありますね。


遠藤 自分も飲食があるお芝居をたまに見に行ったりするんですけど、料理とかスイーツとかは出るけど、お客さんとは関係ない恋愛世界とかファンタジー世界が展開されて、終わるって感じが多いですよね。逆に「演劇ごはん」の場合は、お客さんを組み込んでいくっていうか、食事をして、その食材によって人間関係が変わっていったりするとかしていて。でもそれって脚本段階からアプローチしなきゃいけないから大変ですよね。

小濱 大変ですね(笑)。



浅海 脚本家の方に「こうしてくれ」って依頼はされたりするんですか?

小濱 今まで実はあんまりしてなくて。ただ、少なくとも1回は見てもらったり、佐藤さんの本を見てもらったりしながら、「シームレス」がどういうことかってことは理解してもらっていて、あとは「分岐が最低1個は欲しい」とか、「お客さんは存在しているものとして書いて欲しい」っていうオーダーをするくらいですかね。現状は脚本家さんの書きたいものを書いてもらってる感じです。ただ、それだとクオリティ面で心配な部分があるので、脚本家さんの理解度の問題とか、その辺りをしっかり伝えるのはなかなか難しいです。


浅海 脚本家はやっぱり自分の世界をそこに描きたいって人が多いし、どう「自分を出すか」を考えがちですもんね。

小濱 そうですね。作家性は「演劇ごはん」においては出にくいから、逆に作家性を押してきちゃうと合わないだろうって言っていて。だからゲームのシナリオライターさんとか、もしかしたら「演劇ごはん」には合うんじゃないかと思ったりもします。


遠藤 食材の力ってものすごく強いし、お店も本物だから、そこに作家性がバッティングしちゃうと大変っていうのはありますよね。あとは物語自体もお客さんのいるテンポの中で進んでいるから、こんな大きい声出すのは不自然みたいな、ところがあったりとか。

浅海 難しさがわかっている脚本家と演出家を揃えるって、ものすごい大変ですよね。

小濱 そうですね。演出家の方がまだ多いは多いんですよ。脚本がもう、かなり少なくなっちゃって(苦笑)。


「演劇ごはん」のHPはこちら。



(つづきます)


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